養護教諭の役割

生徒たちの心の支えに

養護教諭

学校での立場

学校内での養護教諭の立場は、生徒や他の職員の健康を管理するマネージャーのようなもので、管理職ではありませんが健康の管理人になります。 保健室を受けもつ養護教諭は担任となって生徒を持つことはなく、どの学年にも所属しませんが校内の人全員の健康管理を行います。 学校内のどこの学年に所属することもなく担任の先生になることもありませんが、全ての生徒を健康面と精神面の両方でケアする、まさに学校のマネージャーです。 担任の先生のように数十人のクラスを持って一年間面倒をみて、卒業する生徒を見送って涙を流すことはりませんが、全ての生徒に対して分け隔てなく接して全ての生徒に慕われる立場になるでしょう。 病人や怪我人の手当てだけでは健康な生徒と接する機会はあまりないでしょうが、全校集会や身体測定などの健康イベントでは主役級に活躍しますので、保健の先生の顔を知らない生徒はいません。 担任ではないのでクラス全体に口出しすることはありませんが、遠足や修学旅行に付き添って生徒の世話をすることもあります。 またインフルエンザが流行した時は校長先生と相談して学校を休校にするか部分的に学年閉鎖にするかを決めることも有り、生徒の健康を監視します。 その最終判断をするのは学校でもより権力者の校長先生ですが、養護教諭の意見を参考にして学級閉鎖などの決定を下すことになります。 この役目は教頭先生や担任の先生には真似できず、健康管理人の保健の先生ならではの役割といえるでしょう。

特別支援学校

生徒数の多い学校や特別支援学校では常時2人の養護教諭がいます。2人の組み合わせで多いのは、1人はベテランの熟年養護教諭で、もう1人は若い新人養護教諭となります。 これは常に2人分の業務を期待しているというわけではなく、新人の教育という側面を持たせた組み合わせのペアです。 熟年養護教諭が新人養護教諭を指導して一人前の立派な教諭に育てようという、上司的な立場で接することになり、この場合の熟年教諭は生徒の面倒をみるだけでなく新人教諭の教育も自身の役割となります。 精神的に未熟な子供の対応をする養護教諭はただでさえ難しいもので、さらにクラスに馴染めない生徒が保健室に入り浸るようにもなりますので、そこでまずい対応をしてしまうと登校拒否になってしまうこともあります。 学校嫌いの生徒が登校拒否になるかどうか、そこの分かれ目が保健室だと言っても決して過言ではないでしょう。 イジメで悩んでいる生徒を守ることもある保健室の対応は、それほどにデリケートで気を使うべきことなのです。 このへんのことは経験者でなければわからないことも多く、新人の先生がいきなりでは上手に接することは難しいので先輩から教わりながら覚えていくことになります。 そして新人教諭も先輩からいろいろ学び、やがては一人前になります。 そうしたら今度は自分が熟年養護教諭となり、新たな養護教諭に自分の経験を活かしてアドバイスをしつつ教育する立場へとなるのです。

生徒の健康観察

生徒がちゃんと健康を維持しているか観察することも全ての生徒に対して実施して、もし具合の悪そうな生徒がいたら声を掛けて様子を伺ったりさらに観察を行います。 基本的に養護教諭は保健室に待機して生徒の来訪に備えていますが、観察の結果どうにも気になる生徒がいたり具合の悪そうな生徒がいれば、その生徒のそばで過ごすこともあります。 まんがいち生徒が急に倒れたとしても保健の先生がすぐそばにいれば安心です。 そのまま生徒が何も問題を起こさなかったとしても決して骨折り損とは考えず、無事に過ごせてよかったよかった、と考えます。 体の弱い子は特に気に掛けておくべきで、自分では言い出しにくい事もあるでしょうからまめに声掛けをして生徒の体調を観察しなければなりません。 頻繁に保健室のお世話になる生徒がいたら、その子がどんな状態なのかを把握してどんな対応をすれば復活しやすいか、コツも掴んでおきます。 病は気からという諺にもあるように、精神面から体調をよくすることだってあります。 特に心の弱い児童は精神状態の変化が体調に直結しやすいので、薬を与えれば大丈夫と考えずに精神面からもケアし、常に安心感を与えることで体調を崩しにくくする方法も編み出しておきましょう。 そのためにはまめな観察やスキンシップが一番ですので、保健室にやってきた時だけでなく普段から生徒と触れ合って親しみやすいフレンドリーな先生、頼りがいのある先生になっておくべきです。 あまり話したことのない寡黙な先生では保健室の先生には向いていません、生徒から気軽に話し掛けられる、相談しやすいキャラクターの方がよいでしょう。